衆議院選挙から今後のエネルギー問題を見てみる

第46回衆議院選挙は、17日午前までに全ての議席が確定

  • 自民党が獲得した議席数は294議席
  • 公明党が獲得した議席は31議席
  • 自公両党は計325議席となり衆院で法案の再可決が可能となる3分の2の議席数(320)を上回った
  • 民主党は、公示前の約4分の1に落ち込む57議席

各党でマニフェストを作成していますが、どのくらい差があるか自民党と民主党のエネルギー問題に焦点をあてて比較してみます。

自民党マニフェスト

まず自民党のマニュフェストは以下の項目をあげています。

  • いかなる事態・状況においても社会・経済活動に支障がないよう、エネルギー需給の安定に万全を期します。
  • 全てのエネルギーの可能性を徹底的に掘り起こし、社会・経済活動を維持するための電力を確実に確保するとともに、原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指します。
  • 当面の最優先課題として、3年間、再生可能エネルギーの最大限の導入、省エネの最大限の推進を図ります。
  • 原子力の安全性に関しては、「安全第一」の原則のもと、独立した規制委員会による専門的判断をいかなる事情よりも優先します。原発の再稼働の可否については、順次判断し、全ての原発について3年以内の結論を目指します。安全性については、原子力規制委員会の専門的判断に委ねます。
  • 中長期的エネルギー政策として、将来の国民生活に責任の持てるエネルギー戦略の確立に向け、判断の先送りは避けつつ、遅くとも10年以内には将来にわたって持続可能な「電源構成のベストミックス」を確立します。その判断に当たっては、原子力規制委員会が安全だと判断する新たな技術的対応が可能か否かを見極めることを基本にします。

民主党マニフェスト

次に民主党のマニュフェストは以下の点をあげています。

  • 原発については、「40年運転制限制を厳格に適用」「原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼働」「原発の新設・増設は行わない」という3原則を守ります。
  • 核燃料サイクル事業のあり方の見直し、人材・技術の維持・強化、国際社会との連携、立地地域対策の強化、原子力事業体制と原子力損害賠償制度の見直しなど、新たな原子力政策を確立します。
  • 分散型発電所は消費者である家庭も担い手となり、地域が産業を興して地域が雇用を生む、地産地消型の「エネルギー革命」を断行します。
  • 民主党政権が創設した固定価格買取制度を生かし、風力、太陽光など再生可能エネルギーを飛躍的に普及させ、燃料電池、蓄電池等の導入をすすめます。
  • 住宅、家庭、交通網などにおける節電を促進します。スマートメーターの普及に取り組み、スマートコミュニティを実現します。
  • 発送電分離について検討をすすめ、発電分野、小売分野などの自由化を断行します。

両党を比較して

両政党とも今後は再生可能エネルギーに移行していくこと、省エネを行う事に関しては同じようです。

但し原子力発電に関しては各党で異なっており、自民党は『「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構築を目指します」「原発の再稼働の可否については、順次判断し、全ての原発について3年以内の結論を目指します。安全性については、原子力規制委員会の専門的判断に委ねます」』と今後の稼働について一定の稼働を維持するようにとらえられる内容となっています。

対して、民主党では『「40年運転制限制を厳格に適用」「原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼働」「原発の新設・増設は行わない」という3原則を守ります』と時間はかかるが原発ゼロにする内容になってます。

政権を奪取した自民党の公約が実施されるのであれば今後も原子力発電所の維持が考えられます。

但し安全なエネルギーを今後供給する上で、原子力発電所の再稼働の可否についてはどちらが正しいかはすぐには判断がつきにくい物かと思います。

皆様と電気の安全について関わらせて頂いている私たちにとって、このマニフェストの内容がどう反映されていくのか追いながら、皆様にとって有益な情報を提供して参ります。