ジャパン・フードバンク・リンクの昨日・今日・明日 一日目

株式会社スターメンテナンスサポートは、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として売上の一部をフードバンクへ寄付しています。

本記事はフードバンクの取り組みを多くの方に知っていただくため、当社が寄付をしている一般社団法人ジャパン・フードバンク・リンクの理事長である村井哲之氏に寄稿いただきました。(原稿を4分割しており本記事は1/4にあたります)

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日本でフードバンクに提供される食糧・商品の量は米国の1/444

最近、何かと話題になるフードバンク子ども食堂っていったい何でしょう?

フードバンクとは、品質には問題がないにも関わらず製造過程での印刷ミス、流通過程での破損があった規格外品や、過剰在庫による販売期限切れ商品など本来であれば廃棄される食品を生活困窮者に原則無償で提供をする組織のことです。

子ども食堂とは、両親共働きや貧困家庭という背景から孤食が多く栄養が偏りがちな子どもたちに対し、無料(または一食100円ほどの安価)で食事を提供することで地域で子どもを育てる取組みです。

では、なぜ、ここに来て頻繁にマスコミに取り上げられているのでしょうか?それは日本に留まらない世界的な食品ロスがなかなか減らず、リサイクルが上手く機能しない現状の課題が浮き彫りになり、その解決者としての彼らの役割にスポットが当たっているからです。日本では年間2,000万トンを超える食糧が廃棄(食品廃棄物が排出)され、その中でも、リサイクルをしなくてもまだ食べられる食糧・商品が500万トンもあります。この量は、世界中から発展途上国に支援されている食糧1年間の総量を超えています。要するに、日本におけるまだ食べられる食糧・商品が世界中の発展途上国にきちんと行きわたれば、彼らと先進国の人々との間の食に関する幸せの格差は、現状よりは間違いなく埋まるのです。しかし、日本のフードバンクへの食糧・商品の提供(寄贈)は、米国と比べて2桁違う量に留まっているのです。

 

「フードバンク〇〇」は企業にとってよくわからない団体

そうした中、2000年代に入って、米国人が始めたフードバンクをもとに、日本初のフードバンクであるセカンドハーベスト・ジャパンなる全国対応型のフードロス削減推進団体や、都道府県名や市町村名を冠した「フードバンク〇〇」なるものが全国の主要都市を中心に出来ました。基本的には

  1. 賞味期限が1ヶ月以上残っているものを引き取る
  2. 自分たちの事務所や倉庫に食糧・商品を持って来て貰い、支援を望む方々(要支援生活者と言う:貧困世帯、子ども食堂、児童養護施設、高齢者施設、障がい者施設等)には、取りに来て貰う
  3. 引き取った食糧・商品に関して何か問題が起こった場合には提供者側に最終的な責任を求める

と言った規約の下、活動を推進していました。

しかし、日々賞味期限が間近に迫った食糧・商品を廃棄することでの商売上のロスに頭と心を痛めている食品スーパーマーケットや、定期的に問屋から商品が返品され、時に、予定通りに売れなかった商品の不良在庫を大量に抱えてしまうことがある食品メーカーに取って見ると、好意で提供するにも関わらず何か事故があった場合に自分たちが責任を負わされるのでは、いくら大きな社会貢献に繋がると言われても、とても提供など出来るものではありません。大量の食糧や商品を廃棄している大手食品メーカーにとっても、自らが責任を取る以上は、フードバンク側の食糧・商品の管理体制や提供先に賞味期限を超えて提供されることがないことを如何に担保しているか等々を厳しくフードバンク側に問わざるを得ず、食糧・商品の提供に関する包括的な契約をフードバンクとの間で結ぶのに2~3年掛かると言った、目の前に困った人がいてあげられる物もあるのに支援が出来ないと言う状況でした。

言い換えると、「まだ食べられるのに捨てて来た食糧・商品を、是非提供して下さい。この機会に、是非社会貢献をして下さい。」と唱えながら、結局は「持って来て下さい。」、支援を必要とする方々には「取りに来て下さい。」、提供すると言っても「そんなに大量には引き取れません。」「これは引き取りますが、これは要りません。」「取りに行く人手がないので、運送費を負担して貰えませんか。」と言っているようなものです。一体、廃棄予定の食糧や商品が欲しいのか、欲しくないのかよくわからない「社会貢献になるのだから、企業であり皆さんはそこに力を貸すのは当たり前でしょ!」と言った考え方の、確実にピントが“ズレ”たフードバンクが全国の至るところに存在をしていました。

食品スーパーからフードバンクに食糧・商品が提供されない5つの理由とは

こうした状況下、これまでも、これからも、フードバンクの側から最も食糧・商品の提供(寄贈)を望まれている全国に1.8万店もある食品スーパーマーケット(以下、スーパーと記します)側の目には、あまたのフードバンクはどんな風に映っていたかと言うと、

  • 氏素性がよく分からない人達が、自分たちの食糧の確保のためにやっているのではないか…
  • 大量に提供した場合、どこかで再販売をされたら困る…
  • これまでも、廃棄予定の食糧・商品を持って来て下さいとのスタンスであり、そこまでのコストは到底掛けられない…
  • 提供した食糧・商品に何か問題が発生した場合の責任を取れと言われると困る…
  • 賞味期限が1ヶ月以上残っていることを条件にされると出せる食糧や商品の量は意外と少なく、本当に引き取って欲しいのは、店舗から日々出る青果の廃棄物や、賞味期限が1日と言った日配商品…

これでは、まずもって、フードバンクに食糧・商品を提供するスーパーなど現れるはずもありません。

この状態を放っておけず、ジャパン・フードバンク・リンクを立ち上げるに至ったのです。その経緯については次回お届けします。

 立ち上がった「ジャパン・フードバンク・リンク」(通称:JFL)!廃棄の最適化の真ん中に、フードバンクの持つ機能の活用を明確に位置付ける

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