カーボンニュートラル実現へ、中小企業が抱える課題と解決策を深掘り

2050年カーボンニュートラルを目指す日本。月日を重ねるごとに、目標達成のため規模の大きい事業者から、温室効果ガスの削減を求められるようになっています。
中小企業であっても、大手企業のサプライチェーンに組み込まれている以上は、無関係ではいられません。

今回、スターメンテナンスサポートでは、こういった企業の悩みを解決する知恵の詰まったイベントに参加しました。省エネにお悩みの方を解決するために、何が必要なのか？それをお伝えしたいと思います。

省エネにおける温室効果ガス排出量算定の枠組み、Scopeの区分とその悩みとは？

省エネを行なうには、当然ですが自社の排出している温室効果ガスの量を算定する必要があります。そのために国際的に用いられている基準のことを、GHGプロトコルと呼びます。

この基準の中には、どの段階で排出された温室効果ガスであるかを分ける区分が存在します。この区分はScope1、Scope2、Scope3と三つの範囲に分けられています。

Scope1：自社による直接排出

社用車や自社の工業プロセスなど、自社で所有、または管理する設備を発生源とする直接的な温室効果ガス排出の区分です。

この区分で主に問題となってくるのは、削減対策の実行難度でしょう。特に工業プロセスにおける排出は、生産量を落としてしまえば売上が下がってしまう関係上、単純な節約が難しいです。
燃料消費の削減をしようと思えば、抜本的に設備投資やプロセス変更を迫られることとなります。

Scope2：他社からの間接排出（購入電力や熱など）

他社から供給された電気、熱などの購入・使用に伴う間接排出の区分です。

外部要因へ依存する関係上、自社での節約をどれだけ心掛けても、全く節約を意識していない、同水準のエネルギー使用量の他社に劣る可能性もあります。
供給元となる購入先の電源構成まで意識して選択する必要があるでしょう。

Scope3：サプライチェーンにおける、その他の間接排出

上述のScope1及びScope2に関連するあらゆる間接排出の区分です。購入した製品やサービス。廃棄物の処理に輸送、投資といったあらゆるものから排出された温室効果ガスです。

特に自社以外の使用という部分がネックで、非常に広範であることから算定の難度が高いです。サプライヤとの連携が密に取れていなければデータ収集が難しく、カテゴリごとの算定方法が異なるため、専門的な知識を必要とされる場合があります。

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中国地域GX・サプライチェーン・サミット参加！

中国地方の自動車業界の脱炭素をテーマとしたイベントが、広島県府中町のマツダ本社で開かれました。
今回は、マツダ様のサプライヤ様をターゲットとしたものでしたので、サプライヤ様にとってはScope1及び2、マツダ様にとってはScope3を解決に導くイベントであったと言えるでしょう。

弊社は、省エネの入り口としての診断やその後の補助金申請、ファシリティ管理や省エネによる環境価値の創出といった部分でのご相談を受けさせていただきました。

現在では、電力メーターもスマートメーターと呼ばれる機器が99.9%普及しており、電力データの自動取得が可能に。この状況を利用し、クラウド上でのエネルギーデータ一元管理とAIによる分析や最適化によって、契約者の省エネを実現するシステム「エネルーク」との連携を進めていることもお話しさせていただきました。