当社全拠点をCO2ゼロ電力に!電気代は高くなるのか検証してみた

スターメンテナンスサポートはカーボンニュートラルの実現を目指し、全拠点でCO2排出量ゼロの電力を使用しています。今回はその背景やCO2ゼロ電力の実態を、弊社の実績を交えてご紹介します。

実際どうなの?CO2ゼロ電力

無添加食品が通常より割高なことがあるように、付加価値がつくものはその分高価なことがあります。「環境にいい」という付加価値があるCO2ゼロ電力も一般的な料金より高額になる場合があります。実態はどうなのか、我々スターメンテナンスサポートの実績を見てみましょう。
まずはCO2排出量と使用電力量の実績です。

広島支店と中部支店の開設、従業員の増加に伴い使用電力量は増加しています。しかしCO2排出量は、最も多い2020年7月期から直近の2022年7月期にかけて約10分の1まで削減できています。その量約9.4t-CO2、これはスギの木約673本分に相当します。2023年7月期以降は完全に0となります。

続いて気になる電気料金はどうでしょうか。燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は単価が変動するので除外したうえで、1kWhあたりの単価を見てみましょう。

このグラフから、CO2ゼロ電力=極端に高い訳ではなく、現行プランによってはコスト削減できることがわかります。大きな費用の負担なくCO2削減に貢献できるうえに企業価値向上に繋がるとなると、非常に魅力的ではないでしょうか。

実質再生可能エネルギーを使用しているとみなすことができるプランや、同様の意味合いを持つ「グリーン電力証書」付きの電力もありますが、我々が切り替えたプランよりも割高となるので、「無理なく永く続けられるか」という観点から採用はしませんでした。

カーボンニュートラルとは

2020年10月、政府は2050年までにカーボンニュートラルを実現することを宣言しました。世界でも120以上の国と地域が同様の目標を掲げています。
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることです。これは温室効果ガスの排出量から森林などによる吸収量を差し引いて、合計を実質的にゼロにする、ということを意味しています。つまりカーボンニュートラルを実現するためには、温室効果ガスの「排出量削減」と「吸収作用の保全および強化」が必要ということです。私たちが暮らす地球を守るためには、全ての企業や地方自治体、個人がカーボンニュートラル実現に向けて取り組む必要があります。


カーボンニュートラルのイメージ(出典:脱炭素ポータル|環境省)

これに関連して、サプライチェーン排出量という考え方があります。これは事業者自らだけでなく、事業活動に関係するあらゆる排出を合計したエネルギーの排出量を指します。つまり原材料の調達、製造、物流、販売、廃棄など、事業に関わる一連の流れ全体から発生する排出量のことです。


サプライチェーン排出量のイメージ(出典:グリーン・バリューチェーンプラットフォーム|環境省)

このサプライチェーン排出量を把握することで、優先的に削減すべき対象を特定することができます。またサプライチェーン上の他事業者との環境活動に関する連携が強化され、温室効果ガスの削減がより進むことが期待されます。加えて、サプライチェーン排出量を情報開示することで環境対応企業としての価値が高まります。サプライチェーン排出量の把握・管理は一つの正式な評価基準として国内外で注目を集めているため、ビジネスチャンス拡大の可能性が大いにあります。
実際日本国内でも多くの企業がサプライチェーン排出量算定に取り組んでいます。
サプライチェーン排出量算定事例
地球のためであることはもちろん、今や企業として成長するためにもサプライチェーンのカーボンニュートラルは欠かせない取り組みとなっています。

我々スターメンテナンスサポートも電気保安点検・エネルギーマネジメントを行っている会社としてこのサプライチェーンのカーボンニュートラルを重要視し、Scope2にあたる電気の使用を見直すことにしました。そして岡山本社・広島支店は2020年7月、中部支店は2021年12月にCO2ゼロ電力への切り替えを行いました。

そもそもCO2ゼロ電力とは?

CO2ゼロ電力を知る前に、排出係数についてご説明します。「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」において、他人から供給された電気の使用に伴う温室効果ガスの排出量については、原則として電気事業者ごとの排出係数を用いて算定することとされています。

温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル(Ver4.8)  抜粋
第Ⅱ編 温室効果ガス排出量の算定方法
3.1.2 他人から供給された電気の使用
(1) 活動の概要と排出形態
他人から供給された電気を使用する際、他人が発電する際に排出した CO2を間接的に排出したものとみなします。
(2) 算定式
電気使用量に、単位使用量当たりの排出量を乗じて求めます。
CO2 排出量(tCO2)=電気使用量(kWh)×単位使用量当たりの排出量(tCO2/kWh)
(3) 排出係数
以下の排出係数を用いて算定します。
① 電気事業者(小売電気事業者及び一般送配電事業者)から供給された電気を使用している場合は、国が公表する電気事業者ごとの排出係数
【公表ホームページ】https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/calc
② 上記以外の者から供給された電気を使用している場合は、①の係数に相当する係数で、実測等に基づく適切な排出係数
③ ①及び②の方法で算定できない場合は、①及び②の係数に代替するものとして環境大臣・経済産業大臣が公表する係数(代替値)

CO2ゼロ電力はこの排出係数がゼロ、つまり電気の使用に関わるCO2排出量はゼロであるとみなすことができるということです。

三方よし実現に向けて

スターメンテナンスサポートの企業理念は「お客様=私たち=社会が共に喜べる価値を創造します」です。どんなにお客様が喜び、我々が売上を上げることが出来ても、社会に悪影響を及ぼすようなサービスであれば提供することはありません。次の世代により良い世界で引き継ぐためにも、社会や環境に貢献することを大前提としてお客様に喜んでいただき、企業として成長し続けていきたいと考えています。
逆も然りで、どんなに社会・環境のためになることであっても、会社や現場に無理があり続けられなければ本末転倒です。我々が再生可能エネルギーやグリーン電力証書にこだわらなかったのはこの企業理念を大事にしているからこそなのです。
サプライチェーンを含むカーボンニュートラル実現に向けてできることは様々ありますが、まずは無理なくできることから始めてみませんか?我々もこれで満足することなく、三方よしを実現するためにこれからも邁進していきます。